九州の主要な農大で講義を行って、はや11年目となる。
農大の講義のおもしろみのひとつは、各大学の学生が持つ県民性にあると感じる。各県独特の雰囲気があり、その空気感に合わせた講義を行なわなければならない。最初の頃は、その違いを分からず無駄に笑いを取ろうと自虐ネタを連発しても真剣に受け止められて、話しがすべってしまい冷や汗をかいたりと、今となっては懐かしい思い出のワンシーンである。
この頃の農大の特徴として、非農家の学生が増加し後継者の学生が少なくなった事だろうか。その関係で就職先も農業関係の法人先が増えている。これもまた農業の集約化の表れなのかと考えてしまう。
地域の農業は産業以上に文化的要素で考えていきたい。
特に地域の祭りや行事には農作物や農作業が欠かせなし、地域の食文化も農業によって育まれてきた事を理解すると、農業は地域文化を彩る華であり、地域のアイデンティティを象徴する存在でもあるのではないかと思う。
農業と地域文化は、互いに影響を与え合い、共に成長してきた歴史がある。その関係性は、まさに「命の循環」そのものである。
また農業と地域文化は、互いに支え合い、共に生きる存在として、その関係性は、まさに「命の絆」そのものである。
農業と地域文化は、私たちの生活に欠かせない存在である。その関係性を大切に守り、未来へとつなげていくことが、私たちに課せられた使命である。
これからも学びを深めていかなければならない。